知識と創造性

 中学生の時、美術の先生が過去の芸術作品を教えることは個性をなくしてしまう原因にもなると言っていて、確かに自分が創造したものって実際は過去に見たものからできていたりするなと思ったのがとても印象的でした。

 

とは言っても日本にいたときなんて芸術作品に触れることなんてありませんでしたが!

それがデンマークに来てこれまでにないほど芸術に触れています。

 

授業の一環としてはよく美術館に行き、休日にも観光がてら美術館に遊びに行ったり(ほかに行くところがないのもある)街中にもアートがあふれていたりしてこんな生活を数か月続けていると創造力が高まったのか先週近くのルイジアナ美術館で、画用紙に絵具でペイントしたとき私アーティストになれるんじゃ…と錯覚を起こすくらい描きたいものがまあ出てくる出てくる。

  

中学の先生が示唆してたように生まれ持った個性をそのまま残すことも大切かもしれないけど

創造力はそれまでに自分が積み上げてきた知識や経験から生み出されて、その知識の違いから1人ひとりの個性にも繋がるんだなと思いました。

 

 

そんな個人的な感想とは別に

実は同じようなことがデンマークの教育業界で問題になっているそう。

普段から1人ひとりの個性が大事にされ教育方針にもそういった個性への尊重が影響していたデンマークですが、ある実験で中国の朝から晩まで詰め込み教育がなされている生徒達とデンマークでのびのびと教育をうけている生徒達が創造力を競ったところ、なんと中国の生徒側が勝つという結果に!

 

ひとつの学校でだけの小規模な実験だったので大きな問題とまではなりませんでしたが、創造力には自信があったデンマークでは創造力が知識から生み出されることを改めて思い知り現在中国などアジアの教育にも注目しているそうです。

 

大学で教育学を専攻し北欧の教育がいかに優れているかを学んで来た身としては

なんだか複雑な思いです。

 

高福祉国家デンマークにだって問題はあるんだという気持ちを歌に乗せて

John Mogensenの「Der er noget galt i Danmark」

youtu.be

 

デンマーク国家、政治への疑問を歌っていますが歌詞とはかけ離れたポップなリズムがなんとも複雑な思いをより掻き立ててくれます。